oshima011-1024x576前回の記事:大島薫の自画撮り戦国時代②

第2回:詐欺写メなんて言わせない!
正しい加工アプリの使い方

写真の修正・加工をしたことのない方はいるでしょうか? 写真を後から編集で加工したりすることを「レタッチ」と呼びます。ちょっと明るくしたり、写真の一部を切り取って大きさを変えたりすることも、広い意味でレタッチと呼びます。そう思うと、いま携帯カメラがあって当たり前の時代に、レタッチをしたことのない方はいないのではないでしょうか。逆に何も編集をせずに写真を掲載することを、業界用語で「撮って出し」なんて言ったりしますね。今日はそんなレタッチの技術に関するお話です。

 

加工って詐欺なんじゃないの?
スマートフォンの登場で、昔は角度くらいでしか”詐欺れなかった”写メを、素人でも簡単に携帯アプリで加工して、奇跡の一枚写メを生み出すことができるようになりました。しかし、こういった修正された写真を「フォトショップ乙」などと、叩く声もあります。修正はいけないことなのでしょうか? 例えば、皆さんがコンビニなどで目にするファッション誌の表紙などは、大抵が写真加工ソフトなどでレタッチを施されています。表紙のモデルはもちろん、絶世の美女たちばかりです。そんな女優さんや、ファッションモデルたちでも修正されているというのに、素人のあなたが修正をしないのは、それこそ傲慢というもの。要は実物と大きく違わない写メならいいのです。

 

PCでの修正
oshima3_1 写真修正といえば、『Photoshop』といったイメージがありますが、確かに『Photoshop』はプロでも使う、有名な画像編集ソフトです。一時期は10万円を超える値段だった『Photoshop』も、いまは月額980円で利用できるようになり、一般人でもかなり手の届きやすい価格になりました。しかし、たまにしか写メを撮らないのに、月額980円も払うのは高い! そんな方にオススメなのが、こちらの『GIMP』(左)というソフトです。何よりこの『GIMP』がすごいのは、『Photoshop』並のことができるのに無料というところです。レタッチ初心者にも手軽に始められますね。

 

 

 

スマートフォンでの修正
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PCが無いし、もっと手軽に撮った写メを編集したい方には、『Facetune』というアプリもあります。こちらは400円の有料アプリですが、非常に優秀です。かなり『Photoshop』に近いことができますし、顔を修正することに特化しているので、かゆいところに手が届きます。

 

 

 

 

レタッチの基礎
さて、アプリやソフトをインストールしたら、さっそくレタッチをしていきましょう。よくテレビなどで、女芸人さんを美女に変えるようなコーナーをやっていたりしますが、あそこまであなたができる必要はありません。簡単なポイントを押さえて、そこだけを修正しましょう。

 

イジり過ぎない!

oshima3_5左の写真は修整前と修正後を比較した画像です。多少変わっただけですが、修正前より修正後のほうが良いですよね? それくらい、少しの差で変わってしまうのが、人の顔なのです。修正し過ぎは絶対に違和感を生みますし、そもそも美しいとは言えません。しかし、元の写真が悪いと、どうしてもレタッチの手数が多くなってしまいます。そのために前回の講座で言った、「とにかくたくさん写真を撮る」ということが必要になるわけですね。

 

 

 

 

 

少し! ほんの少し小顔に
oshima3_4アプリやソフトの「歪ませツール」を使って、顔を少しだけ小さくします。ほんの少しだけですよ!(笑) 例えば、自画撮りに限らず、他人を撮ったときに「あれ? この子実物はかわいいのに、写真に撮るとあんまりだなあ……」と思ったことはありませんか? 人間は動いているとき、その表情や仕草で、本来の顔をあまり認識できていません。ですので、止まったときに普段気にならなかった顔の大きさや、エラの張りなどに違和感を覚えてしまうのです。修正で詐欺写メを作るというよりかは、〝本来見ているその人の顔に戻す〟という感覚で、レタッチをしてみましょう。

 

 

毛穴を無くすのはNG

oshima3_3最初に、ファッション誌の表紙だって修正をしていると書きましたが、前回のAVのパッケージの法則のように、ファッション誌の表紙にも〝やってはいけないとされている加工〟があります。それが毛穴を無くすような修正です。もちろん肌の荒れや、ニキビなどは当然のごとく修正されていますが、陶器のようにツルッツルにされた写真は見たことがないはずです。なぜかネットの自画撮り写メには、これをやってしまっている子が多いんですよね。修正っぽく見える写真の原因は、この過剰な毛穴隠しにあります。面倒かも知れませんが、手軽に一発で肌が綺麗になるアプリなどに頼るよりかは、「ぼかしツール」などのあるアプリで、程よく肌の調整をしましょう。

 

 

コントラストを少し上げる
oshima3_6ソフトでいうところの「トーンカーブ」というツールがこれに当たります。これが携帯アプリとPCソフトのできる範囲の違いになってきますが、携帯アプリだとどうしても単純な明暗でしかコントラストを上げられないのですが、PCソフトの場合は暗いところをより暗くして、肌などの中間の明るさだけハッキリさせることができます。心なしか画質まで上がったような気がしないでしょうか? この作業をすることで、ただの写メがパリっとしたプロっぽい仕上がりになります。PCがない方は、アプリで飛ばし気味に明るくしたあと、画像補正をかけると似たようなことができますよ。

 

自分の顔の良さを見つける
最近ネットで見かける「修正のかけ過ぎ問題」ですが、ボクはこれを一重に理想の自分と現実の自分のギャップだと考えています。人間どうしても自分にないものを求めてしまうものです。「リアルではよくA瀬はるかに似てるって言われるけど、Kりーぱみゅぱみゅみたいになりたいから、そんな感じに加工しよ♪」というのが、この修正のかけ過ぎを生むのです。あなたはあなたしかいない存在なのですから、他人を羨むのではなく、自分の長所を引き出す写真を目指しましょう。そのほうが自分のことを、もっと好きになれるはずですよ。

 

oshima_p[プロフィール]大島薫
純粋な男性でありながら、男の娘として大手AVメーカーと専属契約をした元AV女優。現在はタレントとして活動中。ヴィレッジヴァンガード、シンデレラバスト専用下着ブランド「feast by GOMI HAYAKAWA」ではモデルとしても抜擢されており、GAP原宿フラッグシップ店での「OUT IN JAPAN」プロジェクトでは、多くの著名人と並び男の娘として大々的に紹介された。作家としての執筆活動も熱心に行っている。

 

 

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