『日本ローレグ・ライズ協会』(※注1)公式モデルの中でも、そのクール・ビューティさが際立っているのらねこさんは、
写真から受ける都会的な顔立ちや雰囲気に反して、意外にも地方在住の自画撮り少女だ。
今月(6月)19日に、新宿ロフトプラスワンで行われる、『第三回・ロー協イベント』(※注2)に参加するのらねこさんだが、
翌20日には、本誌『ゲッカビジン!』創刊イベントも控えている。
編集部ではこの度、その日がどうしても待ちきれず、上京の準備で忙しいのらねこさんへ無理を言って、
SNSのビデオ通信で彼女の自宅とを繋ぎ、インタビューを敢行。
結果的に、ロー協イベントはもちろん、本誌創刊イベントに参加する方々が知りたいであろうパーソナルな部分に触れた、
画期的な取材となった。今回から開催直前まで、二回に分けてお届けする。
――さっそくなんですが、のらねこさんが“自画撮り”を始めたきっかけから教えて下さい。
中学生の頃にコスプレをしていたので、
それを写真に残そうと思って、
自宅で撮り始めたのがきっかけです。
いわゆる宅コス(※注3)ってヤツです。
――それはどんなキャラクターだったんですか?
その頃は、『AIR』(※注4)っていうアニメのコスプレでした。
今でも『AIR』大好きです(笑)。
――じゃあ、その写真をツイッターにアップして?
いえ、そのときはまだツイッターはやってなくて。
なんかアーカイブとかキュアとか(※注5)、
そうゆうコスプレ系のコミュニティサイトに載せてました。
――反響はすごかったんじゃないですか。
ですね。そこで知り合って仲良くなったりとか。
中学生のときはまだそんなにイベントには足を運んでなかったんですけど、
高校に入ってからは頻繁にイベント活動もするようになって、
友達の輪が急激に広がりました。
――そういう趣味の世界の発展というのは、
多感な中高生の時期には、刺激的だったんじゃないですか?
そうなんですよ! なんか知らない人とでもすぐに仲良くなってコスプレの感想とかもらえるし、
ずっと年上のカメラマンさんやオーガナイザー(※注6)さんとかとも知り合えて、
もう、イベントに行くのが楽しくて仕方ない感じでした。
――そうなると、コスプレにもますます熱が入りますよね。
はい。なので高校生まではコスプレの自画撮りに没頭した感じで。
で、徐々に普通の写真というか、
制服や私服の写真なんかもツイッターに上げるようになってって感じです。
――例えば、僕のような中年世代には、コスプレよりも私服の方が魅力的に感じるんですが、
ツイッターのフォロアーの中にも、少なからずそういった層もいると思うんですね。
そのあたり、反響はどうでしたか?
はい。おっしゃるとおり、年上の方からのレスポンスがメチャ増えました(笑)。
――やっぱり(笑)。ツイッターに関しては、どれくらいの頻度でアップしているのでしょうか。
頻度はバラバラですね。週一とか二週間に一回とか。でも、最近、多くなりました。
『ロー協』から定期的にツイートして下さいって言われているんで。
――どんなに小さなメディアであっても、
そこに自分の姿を晒すというのは大変勇気の要る行為だと思います。
なにせ世間に自分の評価を委ねるわけですから。そう言った意味では、
頻繁に自画撮りをアップするのは実は負担だったりしませんか?
ぜんぜん負担ではないですね。だって家でパシャって撮るだけなんで(笑)。
私はもともと“皆に見て欲しい”っていう願望がすごく強いんです。
だからいつでも愉しんで自画撮りしてる感じです。
――子供の頃はどんな性格だったんですか? 例えば幼稚園の頃とか。
ん…なんか大人しい感じでしたね。私は割と小柄な方だったから、
母親が言うには、周りのオトナからやたら可愛がられて育ったらしいです(笑)。
――それは今の姿からも何となく想像が出来ますね。では、小学生の頃は?
一、二年生の頃はなぜか学校へ行くのが嫌で嫌で、いつもワンワン泣いているような感じでした。
でも、それも徐々に慣れてきて、三年生ぐらいでは普通の子供に。
で、四、五年生くらいからテレビのアニメ番組を観始めて、
そこからオタクの世界へまっしぐら。
ちょっと “痛い子”に進化しました(笑)。
――今はそんな風に見えないのになぁ(笑)。
面影もないし。ちなみに当時、ハマった作品を教えてください。
えーと、『ナースウイッチ小麦ちゃん』(※注7)っていうアニメです(照)。
その作品との出会いは単なる偶然なんですよ。
レンタルビデオ屋さんでカワイイ絵が描かれたパッケージの作品を適当に借りたら、
それが『ナースウィッチ小麦ちゃん』だったというだけで。
でも、実はそれが物凄くオタク気質なアニメで、ドハマリしてしまったという(笑)。
内容的には女子高生のコスプレアイドルが、魔法少女にさせられて、
悪のウイルスから地球を守るために闘う…っていう話なんですけど、
今思い返すと夢中になって観てたのがちょっと恥ずかしいです(笑)。
――でも、コスプレとアイドルという二つのキーワードは、
今ののらねこさんに通じるものがあり、多大な影響を受けた証左かも知れませんよね。
周りにもハマっているお友達が大勢いたんじゃないですか。
ぜんぜん! 主人公はカワイイし絶対面白いよぉって盛んに勧めたんですけど、
あんまり皆には響かなかったみたいで、『小麦ちゃん』仲間は出来ませんでした(泣)。
――『ナースウイッチ小麦ちゃん』以外だとどんなモノに影響を受けましたか?
実際は『ナースウイッチ小麦ちゃん』の前に再放送で『らんま1/2』(※注8)を観て、
そこからアニメが好きになったって感じです。
で、色んなアニメをレンタル屋さんで借りるようになって、
その過程で『ナースウィッチ小麦ちゃん』に出会ったみたいな。
他には夕方から『カードキャプターさくら』(※注9)とかも観てたし、
あと、少女漫画も大好きで『ちゃお』(※注10)とか買って読んでました。
もう、小学校五年生くらいからはアニメと漫画漬けの毎日って感じでした(笑)。
(続く)
(※注1)日本ローレグ・ライズ協会
エッジを利かせたコラボTシャツで自画撮り少女たちから絶大な支持を受ける「思春期マーブル」ディレクター、ブルマスターK™氏が専務理事を務める非営利団体。理事長には“あおいまりい”こと三代目・葵マリー氏も名を連ねる。
(※注2)第三回・ロー協イベント
日本ローレグ・ライズ協会が定期的に行うイベントのこと。今回の目玉は、ロー協初のアイドルユニット「ローズヒップSS」のデビュー曲披露。現在インタビュー公開中の、玉響桃乃も選抜メンバーの一人。
(※注3)宅コス
在宅でコスチュームプレイを楽しむこと。またそれを自画撮りし、各種SNSにアップすることを指す。
(※注4)『AIR』
2000年に発売された、ウインドウズ用恋愛アドベンチャーゲームを原作とするTVアニメーション作品(製作は2005年)。
(※注5)アーカイブとかキュアとか
コスプレイヤー御用達ポータルコミュニティサイトの名称。正式名称はそれぞれ「コスプレイヤーズアーカイブ 」「コスプレCure」。どちらも創設10年以上の歴史あるサイト。
(※注6)オーガナイザー
主にイベント運営の主催者を指す。
(※注7)『ナースウイッチ小麦ちゃん』
タツノコプロ製作によるシリアスアニメ『The Soul Taker 〜魂狩〜』に登場した、ヒロイン・中原小麦を主役に立てた、かなりパラレルなスピン・オフだが、こちらはシリアスとは真逆の、玄人向けギャグアニメとして知る人ぞ知る作品。
(※注8)『らんま1/2』
週刊少年サンデー(小学館)に連載中『境界のRINNE』の高橋留美子による代表作の一つ。水をかぶると男から女になるという主人公の設定が、当時の多感な子供たちへ少なからずアブノーマルの目覚めを手助けしたことは否定できない。
(※注9)『カードキャプターさくら』
女流漫画家ユニット・CLAMP原作による、同名漫画のアニメ化作品。1998年~2000年にかけて、アニメ三期、劇場版二作品が製作された。
(※注10)『ちゃお』
小学館から刊行されている、小中向け少女マンガ雑誌。
ゲッカビジン!創刊イベント開催決定
【開催日時】2015年6月20日(土)
●集団フォトセッション&オフ会(150分間)
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